サマータイムマシーン・ブルース

気がつけば夏ですね。

オランダに来てからあっという間に8ヶ月が経ちました。

ビルの照り返し、室外機やコンクリートから放出される熱、排気ガスなどの全てがごっちゃになって気温以上の暑さに襲われる東京で暮らしていたころは、夏はしんどい以外の何の感情ももたらさない季節でした。

こちらでは35度近くまで気温が上がる日もありますが、ジトジトしていないところがいいです。サウナでも行ったか？と思えるくらいの汗をものの10分そこらで垂れ流す大汗かきのボクからすればオランダは天国です。

知らず知らず 歩いてきた

細く長い この道

振り返れば 遥か遠く

故郷が見える

なんだなんだ？ポエムか？ん？

と思ったそこのあなた、ちがいます、ひばりです。

これは、美空ひばりさんの『川の流れのように』の一節です。

美空ひばりさんに比べボクはたったの8ヶ月、川どころかそこらへんの水路にも満たない長さのオランダ人生ですが、もうすでに日本が遠いです。

もっと言うと、オランダ生活の諸々も遠い昔の出来事のように思えるときがあります。年を取ると1年が早く感じる（ジャネーの法則と言います）などといったことではなく、これはきっと、短い期間にたくさんのものを詰めこみすぎたからでしょう。

と、今この文章を書きながら、理科の実験でよく使った試験管を思い出しています。

目の前には10センチくらいの試験管。そのとなりには色の違う砂がいくつか盛られています。

砂を順番に試験管に入れていくと、あか・みどり・あお・きいろ・むらさき……試験管は色の異なる砂で満杯です。

色を3つ使うときと、色を5つ使うときを比べると、5つ使って試験管を満杯にするときの方がそれぞれの色が占める割合は少なくなります。

色が増えれば増えるほど、それぞれの色の砂の量は少なくなります。

100色なんて使った日にはもう、それぞれの色はうっすーい線くらい。

どの色がどこにあるんだか、もうほとんど判別不可能。

色って100色も存在するのかよという疑問はさておき、ボクのこれまでのオランダ生活はまさにこれですね。

オランダに着いてから今この瞬間までずっと取り組み続けていたいろんなことは、おそらく8ヶ月という尺にしては量が多すぎで、種々の出来事が詰め込まれ過ぎて、その一つ一つの記憶がぼんやりしているということです。

そして、一つ一つがぼんやりしていることで、つい一ヶ月前の出来事が一年ほど前の出来事のように感じられ、逆に半年前の出来事がつい先日の出来事のように感じられたりと、時系列も全体像も霞んでいて、まるでSF映画のよう。

例えば、オランダに到着したころの出来事は、体感的には2年前くらいな気がします。

カオスです。

ということで、ここ数ヶ月はとにかく目の前のことを一つずつ解決していく生活が続いていたのですが、ありがたいことに一段落着いた部分も少しあり、これから少しずつこちらでの生活を振り返ってみようと思います。

・いくつになってもパーティピーポー！粋大家

・スタイリッシュ・スパルタ・マダム

・ボクは日本の確定申告すら分かりません

・全日程腹こわしイタリア旅

・オランダで結婚式に参加してきました

・仕事、はじめました

今パッと頭に浮かんだことを書き出してみました。

ちゃんと振り返ればもっといろいろと記すことはあると思います。

なので、後でちゃんと振り返ります。

まずはそうですね、【オランダに到着してから居住許可をもらうまで】

このあたりについてまとめてみようかなと思っている次第です。